トロンボーン奏者にまつわるちょっと怖い話

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 中学時代、吹奏楽部でトロンボーンを担当していました。入部してからしばらく経った頃、先輩からとある恐ろしい話を聞きました。

 「トロンボーンをずっと吹いていたら、左腕だけが伸びていくんだよ…」と。

 トロンボーンは音階を調整するのに、左手で長い管を伸縮させる楽器。確かにそこそこの運動にはなるでしょうが、そんなに変わるものなの?と私は半信半疑でした。

 ところが、その話をしてくれた先輩が両腕を前に向かって伸ばして、両手を合わせて見せてくれたところ。確かに、左手の方が第一関節の分くらい前に出ていたのです。

 「左腕だけが伸びていって、体のバランスがおかしくなったら嫌だな~」と思いつつも、私は練習に励みました。そして1年経った頃、ふとその話を思い出して先輩みたいに腕を伸ばしてみると、確かに左腕の方がちょっと長いように感じたのです。その時はさすがにびっくりしましたし、引退までその実感はありましたが、部活を引退して何年か経つと、両腕はすっかり同じ長さになりました。

 一体あれは気のせいだったのか、からかわれていたのか、それともトロンボーンを続ける限り本当に伸びていくのか。今でも不思議で気になっていることです。

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